この「キッズリターン」ですが一通り見て感じたのは、各々異なる選択をした若者たちが4通り登場していて、成功したのが漫才師の2人だけだったという終わり方にとても納得したことです。 他の3人は、本当に自分の進みたい道を突き進ん …

イメージの中の美しい恋の相手をひたすら想い続ける3組の登場人物が物悲しい作品ですね。 今作は情景描写が重視されていたせいか、北野映画ならではの台詞の少なさが強く際立っていて、そのことも物語の陰鬱とした調子を強めているなあ …

物語自体は最後まで、淡々と躍動感なく進んでいくのですが、その冷たい雰囲気が逆に異様な存在感を放っています。 北野武さん演じる刑事の我妻は、物語のムード同様、何をするにも無感情な様子。 どんな不条理な事態に見舞われても困惑 …

1、2と同様に、ヤクザの巨大勢力同士の抗争に終始する印象。 前作に比べて大きな違いはなく、ちょっぴりマンネリ化したような気がしましたね。 しかし、エンターテイメントとしての要素はクライマックスに相応しく、完全に振り切って …

見て真っ先に思ったのが中野英雄さん演じる木村の武骨で真っ直ぐな性格がかっこいいところですね。 他の人間たちが派閥争いでころころと過去の言動を捻じ曲げてしまう。 しかし、木村は自分の進みたい道や信念がぶれず、他人を露骨に落 …

主人公とヒロインに台詞が無く、音楽と情景の微細な変化が作品全体を彩っています。 余計な情報を根こそぎ排除した、状況や展開の具体的な説明もありません。 北野武さんならではの静謐なリアリズムに、仄かな青春が合わさったような感 …