見て真っ先に思ったのが中野英雄さん演じる木村の武骨で真っ直ぐな性格がかっこいいところですね。 他の人間たちが派閥争いでころころと過去の言動を捻じ曲げてしまう。 しかし、木村は自分の進みたい道や信念がぶれず、他人を露骨に落 …

主人公とヒロインに台詞が無く、音楽と情景の微細な変化が作品全体を彩っています。 余計な情報を根こそぎ排除した、状況や展開の具体的な説明もありません。 北野武さんならではの静謐なリアリズムに、仄かな青春が合わさったような感 …

張り詰めたヤクザの勢力争いがとにかく泥臭くて生々しい。 ここまで日常生活が騙し合いと裏切りの連続だと、「もう人生の中で信じられる人なんていないな」と感じて、自分だったら人間不信になりそうな思いがしました。 演じている俳優 …

「龍三と七人の子分たち」は龍三たちが生きてきたヤクザ文化と現代の若い詐欺グループの価値観が違い過ぎて、やり取りが噛み合ってない感じがすごい面白い作品ですね。 詐欺グループのほうが冷静な判断ができているのに、奇想天外な龍三 …

母親の現状を知り、悲しんでいる正男。 それを元気づけようとする菊次郎の優しさが、今までの不器用な言動とのギャップも手伝ってとても魅力的にうつる作品です。 正男の母親が今の家族と楽しげに歩く姿をみて、菊次郎が「なんかお前の …

この「監督・ばんざい！」は北野武さんが監督としてのアイデンティティを次々にぶっ壊していく様子が痛快で、全体を通して自虐たっぷりな演出が多い印象の作品ですね。 手掛けたことのないジャンルに一旦挑戦はするも、試行錯誤の果てに …

井口が元舎弟に自分の苗字を言い直させるシーンや、沖縄でのカラオケシーンのように、同じ行動を繰り返し描写するところが印象的な作品ですね。 同じ状況の繰り返しが、自分でも制御できないまま視界に飛び込んでくるので、頭の中が麻痺 …